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世界に広がる、たおやめぶり


その八十
世界に広がる、たおやめぶり

 第16回世界剣道選手権大会(5月29日~31日・日本武道館)が終わり早ひと月半が経ちました。
 ふり返れば大会の運営も非常にスムーズに執り行われ、これから世界剣道選手権大会(WKC)を開催しようとする国にとって良き模範となる内容であったと言えるでしょう。

 また試合成績の方も日本は、男女個人・団体とも完全制覇することができました。日本の選手はわれわれの期待に応え、本当によく戦ってくれました。
 大会そのものについての感想は、3年前イタリア・ノヴァラで行われた15WKCとほぼ変わるものではありません。
 いま一度、拙談「その二十九『世界剣道選手権大会に思う』(H24.6.07)」、「その三十『躍進を遂げる世界剣道 -憂慮すべきことも-』(H24.6.28)」をご覧ください。
http://shinjukukendo.blog105.fc2.com/blog-entry-29.html
http://shinjukukendo.blog105.fc2.com/blog-entry-31.html

 ここには「肉迫する日韓戦」など、さまざまな問題を指摘していますが、今大会、56カ国・地域の人たちが一堂に会し、織りなす色とりどりの華やかさは、まさに満艦飾、国内の大会ではけっして味わうことはできません。あの日本武道館の中に、一つの世界、を感じ取ることができました。
 〝世界は一つ〟の幻想をいだきつつ…。

 1WKCは、1970年(昭和45年)、同じく日本武道館で開催されましたが、当時は17カ国・地域の参加で、WKCというには余りにも小さい規模でのスタートでした— 45年前のことです。
 また当時、沖縄はまだ日本に返還されておらず、沖縄に行くのにはパスポートが必要な時代でした。その1WKCで沖縄は、自らのチームを結成して出場しています。試合成績は、準決勝で日本と当たり0-4で敗れますが、堂々の3位入賞を果たしました。

 ちなみに1WKC時にはシードというものがなく、韓国は予選リーグでいきなり日本と当たり大差で敗れています。今や日韓戦が決勝の定番となっていますが、韓国が決勝戦線に浮上するのは、その9年後、1979年(昭和54年)の4WKC(札幌)以降ですから、時代の移り変わりというものを感じずにはおられません。
 ところでWKC開催国が3ゾーン(アジア・アメリカ・ヨーロッパ)持ち回り制から立候補制となり、その第一声を上げたのが日本で、このたび16WKCの運びとなったことは前回申し上げました。
 が、ちなみに3年後の、2018年(平成30年)17WKCは、韓国・仁川(インチョン)での開催が決定しました。

 政治の場と違ってWKCにおける日韓関係はあくまで好敵手— 切磋琢磨するライバル同士として、更に強化を重ね、また3年後に予想される決戦が苦しくも楽しみであります。

 さて、新宿剣連の皆様方にはこのたびスチュアート・ギブソンさんをキャプテンとするイギリスチームを、物心ともに応援いただき有り難うございました。
 イギリスチームの選手の面々はそれぞれ健闘いたしましたが、結果が伴わず好成績をあげることはできませんでした。
 しかしイギリス選手団は滞在期間中に、ティム・ヒッチンズ駐日英国大使を表敬訪問し、直接大使から激励のお言葉をいただく栄に浴することができました。
 ティム・ヒッチンズ大使は、2012年(平成24年)、日本赴任とともに剣道を習い始め、今春には二段に合格されました。
 月刊『剣窓』平成26年(2014年)8月号「剣筆」特別寄稿「剣道との再会」が全剣連ホームページに掲載されていますのでご覧ください。
http://www.kendo.or.jp/information/2014/07/003032.html#all

 ティム大使がゆくゆく日本での任期を終えて帰国された暁には、故国イギリスの剣道発展にご尽力いただけるのでは、と期待を膨らませるものです。

 さて皆さん、このたび『週刊新潮』が16WKCを記事として取り上げたことをご存じでしたか。それもわれわれ剣道人が憶測するWKC報道とは全く異なり、なんと「異国の美人剣士たち」というタイトルでの取り扱いでした。

 そしてその見出しに全一ページで登載されたのが、あのイギリス選手団のひとりジェニー・ナッシュさんです。
 ナッシュさんは、先般5月21日(木)に行った新宿剣連のイギリスチーム歓迎稽古会にもメンバーとして名を連ねております。
 たしか…、懇親会の席でナッシュさんを独り占めしていた太い御仁もおられましたねぇ。

 ナッシュさんが世界一の美人剣士ということではないにしても、今さらながら『週刊新潮』の目の付け所に敬服しているところです。
 まだ読まれていない方のために、同誌6月11日号「異国の美人剣士たち」を添付しましたので、ぜひご覧ください。
 ここに採り上げられた8名の美人剣士たち、いずれも端正な出立ちながら、そのきらびやかでない〝質素な装束〟が彼女たちの美しさをひときわ浮かび上がらせている、と思われませんか。
 常に「人間という存在」を強く意識した記事作り、人間の本質に切り込む姿勢、を編集方針とする『週刊新潮』の気骨が窺い知れます。
 また、筆者にとってあの記事は、「世界に広がる、たおやめぶり」との副題が似つかわしい、と思ったしだいです。

 「たおやめ」は漢字で「手弱女」と書き、たおやかな女、しなやかな女という意味で、強くたくましい男をあらわす「益荒男(ますらお)」の対極にある言葉といえます。
 また、「たおやめぶり」を『広辞苑』で見ると、「女性的で温厚優和な歌風。万葉集の「ますらおぶり」に対して、主として古今集以降の勅撰和歌集で支配的な歌風を指す。」となっております。

 この「たおやめぶり」の国際化、大いに結構!

 WKCにおいて女子の部が正式に取り入れられたのは、2000年(平成12年)の11WKC(アメリカ・サンタクララ)からですが、開催のたびに女子選手は増加し続けています。
 剣道は、「安全」をシンボルとして女性愛好者が増えたことは確かです。「安全」「女性」とくれば、その延長線上にあるのは「平和」にほかなりません。
 平和は、人類永遠の課題でありますが、その平和もけっして「みんな仲良く」で片づけられるものではありません。世界の各地で惹起する平和でない状況を鑑みるとき、人と人、その対立の根底にある「生き死に」の問題を抜きにして平和を語ることはできない、と考えます。
 剣道は、まさに生死の哲学を包摂する修行道であります。
 その生き死にを「安全」裡に、「女性」原理〝たおやめぶり〟に添いつ、「平和」の理念へと昇華するならば— 剣道は、日本から発する古くて新しい武道として、世界中に広まらぬはずはないと、思いを新たにしたしだいです。

 最後に、7月18日(日)は、「女子の、女子による、女子のための大会」と銘打つ、第7回全日本都道府県対抗女子剣道優勝大会が日本武道館で開催されます。
 全剣連のホームページに拙筆「大会のみどころ」が掲載されましたので併せてご覧ください。
http://www.kendo.or.jp/competition/todohuken-joshi/7th/news/4230.html

 まもなく盛夏到来です。どうぞご自愛のうえご精武のほど、お祈り申し上げます。つづく
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新宿区剣道連盟

Author:新宿区剣道連盟
「井蛙剣談」への思い

 「井の中の蛙大海を知らず」と自覚しつつ
「井の中は誰よりも知っている蛙」に成り代わり書き進めてまいります
つたなき指導の一環とお受け止めいただければ幸いです
               真砂 威

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