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卒、現役

その七十一
卒、現役

 前回は、平成22年の大晦日に東京芸大生の小山冴香さんが描いた似顔絵によって、ある悟りを得たことについて記しました。

 退職して4年近く経ってあの絵と出会ったわけですが、それからというものは、日一日、身体全体の力みが削げ落ちて、次に打ち寄せる、生命体としての任務解除、の刻に向かって大きく一歩踏み出しました。

 わが国は世界一の高齢化社会といわれており、男女合わせた世界の平均寿命が70歳とする中、日本人の平均寿命は84歳と高く、前年に続き世界最長となったと報じられました。男女別で見ると、日本の女性の平均寿命は87歳で首位、男性は80歳で8位とのことです。

 そういうことから小生が日本の男性の平均寿命を与えられているとするならば、身罷(みまか)るまであと12年間この世でご厄介になることになります。それは、小学時代を2回送る時間です。

 昔、自分が過ごした小学生の6年間を振り返ると、入学から卒業するまで果てしもなくながーい時間を、しかも様々な場面がコマ送りのように流れていた、という記憶があります。

 しかし、自覚のないままですが30の半ばを過ぎたころからか、徐々に齢をかさねる巡りが早くなり、振り返ると、あっ、と言う間に60歳という定年退職の年を迎えることとなりました。
 今となっては瞬く間に過ぎ去っていく年月の加速感に身をまかせるのみ。そう言っているうちにもうすぐ68歳ですから、光陰矢のごとし、と、月並みな科白(せりふ)が口をついて出る日々です。

 自分に残された余命は、小学校の入学から卒業までを2回繰り返す、しかも残された時間は足早に過ぎていく、と、思えば毎日がいとおしく、その日その日を大切に過ごさなければならぬと深く身にしみて感じるこのほどです。

 いっぽう高齢化が進んできたせいでしょうか、「アンチエージング」という言葉をよく耳にします。「実年齢より10歳から20歳も若く見える」を触れ込みに、若返りを目的とした医療や美容や整形などがここぞとばかり出現し、健康食・サプリメント・化粧品・健康器具などさまざまなアンチエージング商品が市場に出回っています。

 まるで、いつまでも若々しくいることが人生最大の目的であるかのように…。

 たしかに健康第一ではありますが、必ずしも若返りとセットでなければならないことはないはず。
 かりに私なんぞ「20歳若返らせてあげる」と言われたら、即座に「ノー」と答えることでしょう。

 これも昔、「若いという字は苦しいという字に似てる♫」と唄った歌がありましたが、まさにこの詩のとおり、「若」と「苦」はイコールといって過言ではありません。あの辛苦粒々とつづく若い時代には、もう一度戻りたい、とは思えません。
 また、前回申しましたように〝もうひとつの悟り〟を得た小生としては、この手のアンチエージングに与するわけには参りません。

 とりわけ剣道は、いつまでも若々しい、というのが望ましいとは思わないからです。歳相応、体力・性差に見合った稽古のかたちを造り上げるべきであって、あくまで「肯」あるいは「是」エージングであるべし、とするものです。

 話がだいぶ横道にそれましたが、警察職員であった私の職務上における任務解除は、退職時の平成19年3月末をもってなされました。
 思えば、昭和45年(1970)に兵庫県警察に奉職し、機動隊員から剣道教師・師範の23年間、平成 5年(-93)に警察庁出向、14年間の警察大学校勤務という計37年間の警察人生でした。

 前にもお話ししたかと思いますが、私は東京へ転勤してきた当初より全剣連の月間誌『剣窓』の編集委員を仰せつかっておりまして、退職を間近にしたころ、同編集委員会から『剣窓』巻頭の「剣筆」欄に執筆するようお達しを受けました。
 現役引退とはいえ剣道界ではまだまだ若手の分際ではありますが、分不相応を顧みず、警察人生の締めくくりと第二の人生がスタートするに際しての心組みを記しました。

 7年も前のもので、いささかのカビ臭さは否めませんが、ご承知いただいた上で、ここに小文『警察を退官するにあたって』を添付いたします。ご一読いただければ幸いです。
140930剣窓バックナンバー

 なお、文中には「松永政美(現全剣連審議員)」となっておりますが、松永先生は現在、全剣連副会長及び国際剣連副会長という最重要の職にあり、剣道界の陣頭に立ってお骨折りいただいております。

 最後になりますが、私は現在も『剣窓』の編集に携わらせていただいております。宣伝くさい話となり恐縮ですが、月刊『剣窓』は剣道に関する情報を提供するものです。
 日ごろの稽古や講習など、さまざまな活動の場において、互いに情報を共有していれば指導しやすく、また学びやすい、と、いうことで全剣連では「剣道人必読の書」と位置づけております。

 『剣窓』の主な内容は、各界人による巻頭コラム「剣筆」/全剣連の動き、各専門委員会の活動報告/全国組織関係団体の活動報告/全剣連が関与する各大会の記録、観戦記・総評/大会・審査会・講習会などの行事予告、要項/称号・段位(六段以上) 審査合格者、審査員寸評/五段審査合格者/国際剣道に関する情報、海外派遣報告/講習会などの講話及び指導内容の要旨/随筆、寄稿、歴史読物などです。

 会員の皆様で未購読の方は、この際ぜひ年間購読いただき、切磋琢磨する剣士の実用書、としてご活用ください。
 購読は、こちらから↓
   http://www.zenkenren-shop.com/jp/kenso/index.html
平成26年9月29日
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新宿区剣道連盟

Author:新宿区剣道連盟
「井蛙剣談」への思い

 「井の中の蛙大海を知らず」と自覚しつつ
「井の中は誰よりも知っている蛙」に成り代わり書き進めてまいります
つたなき指導の一環とお受け止めいただければ幸いです
               真砂 威

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