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審査について②

井蛙剣談 その七

 前回は、「京都大会について」(「その三」)に対する松田 務さんの「感想」(6月10日付)に返答したかたちで述べました。よって、京都大会に出場を希望する人に照準を合わせたため、いささか対象者が限定されてしまいました。
 今回は、広く昇段をめざして励んでいる人たちに役立つような内容を述べてみたいと思います。
 段位審査の科目は、「実技」「日本剣道形」「学科」がありますが、ここでは実技審査について述べます。
 *「段位の付与基準」については、文言が難しく、また非常に抽象的な表現になっており、皆さん方にはちょっとわかりにくいかと思いますので、実際の修錬については次のことがらを参考にしてください。全剣連が定める「称号・段位審査実施要領」をもとに説明いたします。

初段から三段
 初段から三段までは初級者と位置づけられ、主に基本の習熟度によって与えられます。その着眼点としては、
① 正しい着装と礼法
② 適正な姿勢
③ 基本に則した打突
④ 充実した気勢
が上げられています。
 剣道は、わが国の伝統文化であります。また、わが国の文化は「型の文化」といわれています。
 ですからこの段階では〝打った打たれた〟より、まず①~③についてしっかりとした「かたち」を身につけてください。
 「かたち」を身につけるには、日ごろの稽古のなかで良きお手本(先生、先輩など)を見習うことです。言い換えれば「まねる」ことからはじめます。そっくりそのままお手本のまねをしてください。
 「まねる」、これが時代の変遷によっても変わらぬ、技法の伝承方法であります。古来より、「まなぶ」は「まねる」なり、といわれる所以です。
 「充実した気勢」については、お互い目付をはずさず気合いっぱいの発声を心掛けてください。自ずから気勢が充実してまいります。気勢が充実すると技にも勢いが出てきます。

四段・五段
 四段・五段は中級者とよばれ、前の①~④について更なる向上が求められます。中級者となるには、それに加えて、
⑤ 応用技の錬熟度 
⑥ 鍛錬度 
⑦ 勝負の歩合
について審査の目が及びます。
 「応用技」は、〝出ばな技〟や〝すり上げ技〟や〝返し技〟などをいいますが、構えとしっかりした身体の「かたち」を整えたうえで、相手と攻防の応答関係を築き、打突の好機をとらえた技を発するという、日ごろの稽古が肝心です。
 「鍛錬度」は、日ごろの修錬状況に審査の眼が向けられます。審査員の先生方は、「どれだけ稽古を積んでいるか?」という眼で見ます。付け焼き刃ではすぐ見抜かれますので、しっかり錬り上げましょう。
 この段階においても、打った打たれたに終始しがちですが、技が成功して一本になった、ということよりも熟練度が高いか低いかを見極めます。あえて「勝負の歩合」を一番最後に掲げてあるのは、ややともすれば有効打突本位に傾かないように配意したものでありましょう。

 以上が初段から五段までの審査です。五段以下の審査は、各都道府県単位で実施されますが、次に掲げる六段以上の審査については全剣連の直営で行われます。

六段から八段
 六段以上は上級者と位置づけられ、①~⑦について一層高度なものが求められるほか、次の
⑧ 理合
⑨ 風格・品位
について問われます。
 「理合」とは物事の道理、筋道です。繰り出された有効打突は、まぐれ当たりではなく必然性がなければなりません。すなわち理に適っており再現性があるということです。
 「風格」は、〝味わい〟〝おもむき〟といったもので、「品位」とは自然ににじみ出る〝人格的価値〟と申しましょうか。要するに結果判断ではなく、そういったものが攻防関係の中で技倆として表れているかという視点です。
 剣道は、ふだんの「稽古」と「試合」そして「審査」それぞれにおいて変わるものであってはならないものです。
 しかしながら、試合となれば勝負に力点がおかれ、審査においては見映えを繕う方向にそれぞれ傾いてしまうのは、生身の人間としては致し方ないことかもしれません。
 そういう心理的葛藤を乗り越え、本質剣道を求め修業することが「人間形成」につながるものと思うものです。
 皆さん方それぞれ、いま一段の昇段に向け、一層の精進を期待するものです。
 ところで、古くは男の修業道とされていた剣道ですが、最近では女子の台頭めざましく、六・七段審査においても男子に遜色なく立合い、かなりの合格者を輩出するという趨勢にあります。この女子の興隆は何を意味するものでしょう。
 次回は、女子の視座から、剣道のこれからを見てみたいと思います。

                                         つづく
 
* 「段位の付与基準」
第14条 段位は、初段ないし八段とし、それぞれ次の各号の基準に該当する者に与え
られる。                          
1 初段は、剣道の基本を修習し、技倆良なる者
2 二段は、剣道の基本を修得し、技倆良好なる者
3 三段は、剣道の基本を修錬し、技倆優なる者
4 四段は、剣道の基本と応用を修熟し、技倆優良なる者
5 五段は、剣道の基本と応用に錬熟し、技倆秀なる者
6 六段は、剣道の精義に錬達し、技倆優秀なる者
7 七段は、剣道の精義に熟達し、技倆秀逸なる者
8 八段は、剣道の奥義に通暁、成熟し、技倆円熟なる者
(全剣連「称号・段位審査規則」より)



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新宿区剣道連盟

Author:新宿区剣道連盟
「井蛙剣談」への思い

 「井の中の蛙大海を知らず」と自覚しつつ
「井の中は誰よりも知っている蛙」に成り代わり書き進めてまいります
つたなき指導の一環とお受け止めいただければ幸いです
               真砂 威

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