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真の三本勝負

その二十五
- 城西五区大会を観戦して -

 昨年の3月末から拙稿の連載をはじめさせていただき1年が経過いたしました。内容はともかくとして、今までのところなんとか月2回の目標をこなすことができました。この先どうなるか全く自信はありませんが、能力の限り書き連ねていく所存ですのでよろしくお願いします。

 また内容についても、剣道そのものより、つい、剣道を取り巻く周辺事情の方に脱線してしまいがちですが、なにぶんペンネーム‘頓真’ゆえ、と承知いただき、奔放に書き進めさせていただくことをお許しください。

 今回は身近な話題から、先日行われた城西五区大会について述べさせていただきます。
この大会は、新宿、世田谷、渋谷、中野、杉並の城西五区の剣連が集まって開催されるもので、平成4年(1992年)から始まり、毎年1回、各区が輪番で担当して行っています。
 今回20回目を数える大会は渋谷区の担当で、3月20日(祝)午後、幡ヶ谷にある「渋谷区スポーツセンター」において開催されました。

 試合は17人制(うち女子4)の対抗戦で、各剣連とも1チーム(ただし担当区はAB2チーム)出場し、計6チームで戦われます。まず6チームを二分し、3チームづつのリーグ戦を行い、リーグ首位同士で決勝戦を行うというものです。

 わが新宿剣連の試合結果は、第1戦は杉並と5勝9敗3分、第2戦は渋谷Aと3勝11敗3分と2敗し、残念ながら決勝戦に進むことはできませんでした。しかし、数字の上では完敗に見えますが、試合内容においては決して見劣りするものではありません。それどころか幾人か目を見張る戦いぶりをみせた選手もおり、悔しさの中にも来年に明るい希望をもたらす内容でした。ちなみに決勝は、渋谷Aと中野が対戦し、渋谷Aが僅差で優勝を遂げました。

 新宿剣連の皆さん、来年の第21回大会は、わが新宿が担当となります。担当剣連は2チームの出場枠があるので選手の数は倍の34名です。どうか会員の皆さんにおかれましては、それぞれが選手となるつもりで、この1年ご精進をお願いします。ぜひ新宿剣連に優勝をもたらしましょう。
 第21回大会は、平成25年3月24日(日)、「新宿区スポーツセンター」で開催されます。

 このたび本大会を観戦し一番に感じたことは、「引き分け」の試合が非常に少なかったことです。

 最近の学生大会では、先鋒から副将まですべて引き分けて大将戦に勝負を託すという対戦が多くなってきています。またそれとは逆に、先鋒が得た僥倖の勝ち星を次鋒から大将まで守りきるといった試合運びもたびたび目にします。そういった学生の試合に思い余るなか、本大会での勝負は誠に清廉かつ簡潔で、気分爽快に観戦することができました。

 全剣連の試合・審判規則では「試合時間は、5分を基準とする」と定めていますが、城西五区大会では、「3分」と申し合わせています。なんと全剣連基準の6割の試合時間です。

 非常に短い試合時間であるにもかかわらず、「引き分け」が少ないだけでなく、勝負のついた試合においても、時間切れの「一本勝」よりも時間内に二本取得する試合の方が多いという結果でした。まさに、理想とする〝真の三本勝負〟といえましょう。

 このように、一本取ろうが取るまいが、また、自己のチームが優位であろうがなかろうが、守りに専心することなく、尋常に戦う試合が本来の三本勝負といえます。

 と申せば、「真剣勝負を由来とするなら、〝三本勝負〟じたいが本来と言えないのでは?」と、思われる向きもあるでしょう。
 このことに言及しますと、また脱線のそしりを免れませんので、また別の機会に譲るとして、ここでは剣道と一般競技スポ-ツの勝負観の違いについてのみ申し上げます。

 もともとスポーツは娯楽的あるいは遊戯的といった要素を強くもっており、ル-ルの設定は競技者や観戦者の興味を増進させることを大きな目的としています。
 それにひきかえ剣道は、ルールを前提とするものではなく、刀による命を懸けた闘いが原初形態としてあります。
 ですから〝まずルールありき〟のスポーツと、〝真剣勝負をなぞって〟勝敗を論ずる剣道とは自ずから勝負観が違ってくるわけです。

 剣道における3分や5分といった試合時間の設定は、大会運営の制約上やむを得ず定められているのであって、本来なら剣道試合に時間の観念は不要といえます。

 多くのスポーツでは、「1点を守り抜いた」とか「残り時間をよく逃げ切った」などと選手を誉め讃えていますが、剣道の試合においては、これらのせりふは死語としたいものです。

 技量の方はともかくとして、あっ失礼、(-_-#)、この城西五区大会には剣道試合の面目躍如たるものがありました。

 最後になりましたが、本大会の正式名称が「城西五区剣道連盟対抗親善剣道大会」であることに感心したしだいです。
 今まで何回も観戦しながら、恥ずかしくもこのほど、「対抗」と「親善」という正反対の意味をもつ語句が横に並んでいることに初めて気がつきました。

全剣連の『剣道指導の心構え』をご覧ください。
http://www.kendo.or.jp/news/kendo-rinen.html
 本大会には[竹刀の本意]にある、「竹刀という剣は、相手に向ける剣であると同時に自分に向けられた剣でもある」という〝対抗〟面と、[礼法]にある「交剣知愛の輪を広げていく」〝親善〟性が併存し、なにかほのぼのと剣道の本質を物語っているように思えました。
 どうかこれからも[生涯剣道]を目指し、世代を超えて高めながら学び合いましょう。
本大会のますますの発展を祈るものです。
つづく

「井蛙剣談」への思い

 この綴りを「井蛙剣談」と名付けたのは、古く頓阿が著した「井蛙抄」をもじってのことです。 「井の中の蛙大海を知らず」という自嘲を込めつつも、「井の中は誰より知っている蛙」になりすまして書き進めたいと思います。

頓真



井蛙抄(せいあしょう)

歌学書。頓阿(とんあ)著。6巻。1360~64年(延文5~貞治3)頃成る。古代・中世の歌論書の所説を集成し、さらに師二条為世からの聞書や当時の歌壇の逸話を集めたもの。(「広辞苑」より)
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プロフィール

新宿区剣道連盟

Author:新宿区剣道連盟
「井蛙剣談」への思い

 「井の中の蛙大海を知らず」と自覚しつつ
「井の中は誰よりも知っている蛙」に成り代わり書き進めてまいります
つたなき指導の一環とお受け止めいただければ幸いです
               真砂 威

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