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竹刀の計量検査に思う

その十九

東京都剣道連盟では事故防止のため、全日本剣道連盟「剣道試合・審判規則」及び「同細則」における竹刀の基準に従って、竹刀の計量検査を実施することとしました。
 実施は、本年9月3日の東京都剣道選手権大会からで、東剣連が主催・主管するすべての大会で実施するということです。検査項目は、竹刀の重さ、長さ、先革の長さ太さです。
 すわ一大事とばかり、大会出場に際し基準を満たした竹刀の購入にはしった選手も多くおられたと聞きます。
 それもそのはず、全国レベルの大会出場を目指している剣士以外は、全剣連が定める下記の「竹刀の基準」を見比べて竹刀を購入することはほとんどないと考えられます。
 計量検査の対象は、東京都剣道祭・寛仁親王杯剣道八段選抜大会を除く全ての大会で実施するということですから、10月27日、東京武道館で開催されたシニア大会(第16回シニア健康スポーツフェスティバルTOKYO)においても行われたようです。
 そこで、一つおもしろい話を耳にしました。今年のシニア大会に出場した方からお聞きした話です。「ひどい人がいまして…。重さ不足ではねられた竹刀を、そのまま洗面所に持って行って柄を水で濡らしてパスさせちゃったんです」と、不満を漏らしていました。文字どおり「水増し」行為にほかなりません。
 筆者はその話を聞いて、数十年前、まことしやかに語られていた話を思い出しました。来年は全剣連発足60周年を迎えますが、草創期の全日本剣道選手権大会の竹刀計量検査での話です。
 某有名選手が不合格となった自分の竹刀を、やおら廊下に備えられている防火用バケツに柄部をバシャッとつけて水を吸い込ませ、そのままハカリに乗せてパスさせた、と。
 それを見ていた回りの人が、「ほぉっ頭がいい!」と、顔を見合わせ感嘆の声を上げたとか。また、検査係の人も呆気にとられ、すんなり通過させてしまったとのこと。
 いつの時代でも同じですが、予測していないことに対してはなかなか適確な対応ができないものです。まさにこのたびの東剣連の計量検査は事始といえるもので、シニア大会で行われたとされる手法は、紛れもない不正行為ではあるものの、古典的な潜り抜けを彷彿させる話でありました。
 全剣連の計量検査も年数を重ねる毎に厳正なものへと改善が加えられてくるととともに、選手側による潜り抜け行為も全くと言ってよいほどなくなってきました。最近では、全日本選手権の計量検査で不合格となる竹刀は皆無であるとのことです。間もなく東剣連の計量検査も、しっかりとしたかたちで定着するものと思われます。
 さて、竹刀の重さの基準は、事故防止のために設けられているものですが、竹刀にある程度の重さが必要とされる理由は、それだけではないと思われます。
 竹刀は日本刀に由来するものであり、「日本刀の観念」で操作あるいは取り扱うとされています。そのことからいっても、竹刀にはそれ相応の重量がなければならないと考えるものです。よしんば安全性が確保されていると仮定しても、基準を満たさないような軽い竹刀での攻防は、いきおい軽業の当てっこくらべとなってしまうこと必定です。
 〝日本刀の観念で〟という心構えは、竹刀を購入する時から必要ではないでしょうか。
 一振りの刀剣、という観点で選んだ竹刀は、自ずと計量検査でハカリの針がグンと基準の目盛を飛び越えてしかるべきもの。反対に、計量ぎりぎり、目盛すれすれの竹刀を求めるようではいささか心許ないというものです。
 このたび東剣連の竹刀計量検査をきっかけとして、いま一度「剣道とは」「道を求めるとは」何かを考えてみようではありませんか。
 本年3月末から綴って参りました井蛙剣談は、「その十九」をもって本年の締めくくりとさせていただきます。内容の方はともあれ当初目標としておりました月2回は何とかクリアすることができました。来年も年明け早々より、書き連ねて参りたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 今年は東日本大震災にはじまり台風被害など、自然の驚異にひれ伏す日々が続きました。しかしながら一方では、家族の大切さを再認識するきっかけともなりました。また、被災地に対し支援の輪が広がったことに心強さを感じました。さらには「なでしこジャパン」のチームワークによる活躍が日本の国に活力を与えました。
 今年は「コミュニティの価値」が改めて見直される年であったということで、今年の世相を表す漢字に「絆」が選ばれました。
 新宿剣連会員の皆様方におかれましても、本年は厳しい年でありましたが、どうかご家族お揃いで絆を大切にしつつ、輝かしい新年を迎えられますようお祈り申し上げます。
新年早々の交剣を楽しみにしております。

つづく

竹刀の基準
(一刀の場合)

竹刀

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新宿区剣道連盟

Author:新宿区剣道連盟
「井蛙剣談」への思い

 「井の中の蛙大海を知らず」と自覚しつつ
「井の中は誰よりも知っている蛙」に成り代わり書き進めてまいります
つたなき指導の一環とお受け止めいただければ幸いです
               真砂 威

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