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号外 休館やむなし! たたみ一畳の修行

                  号外
                休館やむなし!
               たたみ一畳の修業
 肺炎を引き起こす新型コロナウイルス感染拡大防止のため、新宿スポーツセンターが臨時休館することとなりました。

 期間は、令和2年3月1日(日)から3月31日(火)までの1ヶ月間。利用再開については、今後の状況により変更する場合があるとのことです。

 したがって新宿剣連の稽古は、3月まる1ヶ月、一般の部(午前・午後)、少年の部ともすべて中止となりました。

 会員の皆様方の中には、春の昇段審査に向け、いよいよ稽古に拍車を加える時期に入っており残念なことであります。
 これから先は、新宿スポーツセンターに限らず公の施設での剣道の活動は出来なくなると見込まれます。

 さて、この休館1ヶ月の期間をいかに過ごすか。
 剣道の技量を落とさないためにも、また、健康を維持する上においても日常生活に一工夫、加えていただく必要があります。

 思えば9年前、東日本大震災の発生により同スポーツセンターが休館を余儀なくされました。
 その時、拙談その四「つなげる工夫」で申し上げましたが、ぽっかりと開いた空白期を無為に過ごすと、再び稽古を開始したときご自身の実力低下に嘆くこととなります。
 ぜひ今一度、「つなげる工夫」を読み直してください。
http://shinjukukendo.blog105.fc2.com/blog-entry-4.html

 ここに、「徒歩を修業に採り入れた」と記していますが、ちょうど今の時期、これ幸いと、通勤時など人混みを避ける意味でも、ぜひ実践してください。

 また、「1日1回は竹刀を持つ」についても、必ずしも広い場所、天井が高い部屋でなくても、たたみ一畳のスペースがあれば十分修錬を積むことができます。
 竹刀が天井につかえるようでしたら、短棒または折り畳み傘などでも結構です。

 要するに、剣道で一番難しいとされる「有効打突の身体表現」つまり、技が決まったカタチをつくる練習をしていただきたいのです。

 送り足、踏み込み足で身体移動しつつ、一本の得物を両手で把持し、ブレることなく振り切る練習です。

 これは先般、その118「〝かたち〟への目覚め」から121「〝かたち〟から〝型〟へ」で申しました空間打突そのものですが、ご自宅ではドンと床を強く踏む必要はありません。
 いっそ、スローモーションでやってみませんか。

 しっかりしたカタチとバランスのとれた身体感覚が身についていないとスローモーションの空間打突は難しいものです。

 ちょうど自転車の遅乗り走行のようなものです。初心者は倒れるのを怖れギクシャク一所懸命にペダルを漕ぐのですが、上手になっていくにつれバランスが安定し遅乗りができるようになります。

 要するに「人車一体」になれるかがポイントです。
 同じく、われわれ剣士が求めるべきは「気剣体一致」です。

 ちょうどこの時期を利用して、今までの道場稽古で見過ごされていた、ひとり「気剣体一致」への修錬を心懸けてみませんか。

 日頃は、慌てて自転車のペダルを漕ぐがごとく〝急ぎ打ち合い〟の稽古で崩れた形を矯正し、遅乗り自転車の名人のごとくゆったりとした技能を身につけましょう。

 遅乗りの自転車技術が物の用に立たないのと同じで、〝ゆっくり技〟そのものの実益はありませんが、ゆっくりと有効打突の身体表現ができる技能が大切なのです。

 〝ゆっくり技〟の体現、即「気剣体一致」の体得と言えましょう。
 必ずや道場での立合稽古で生かされるでしょう。
 あの太極拳の練習の動きを思い描き、〝ゆっくり技〟をつくり上げてください。

 〝ゆっくり技〟そのものは武術としての用をなしませんが、ゆっくりとブレることなく濃密な描線で移り動く技能を体得すれば、実戦において対者の隙、〝今、ここ〟に寸分の狂もなく〝間に合う〟動きとなるのであります。

 ちょうど、銃口から発射された弾丸が後で修正が利かないのと同じように、一気に発されたスピード技は軌道修正が利きません。
 その反対に、〝ゆっくり技〟はミサイルのように、発した後も相手の動きに応じて誘い導くことができるというものです。
 言うは易く行うは難し、ですが。

 いかがでしょう。
 納得された方は、すぐ実践です。
 師匠は、ご自身です。

 ひとり打ち込みに、少しでも「面白い」という心持ちが立ち現れたらしめたもの。その「面白い」を突き詰め、「しなやか」「快い」「楽しい」など、ポジティブでリズミカル♫な感覚を染みこませてください。

 それでは、1ヶ月後にお会いすることを楽しみに。
 ご精進をお祈りいたします。
井蛙剣士 頓真
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プロフィール

新宿区剣道連盟

Author:新宿区剣道連盟
「井蛙剣談」への思い

 「井の中の蛙大海を知らず」と自覚しつつ
「井の中は誰よりも知っている蛙」に成り代わり書き進めてまいります
つたなき指導の一環とお受け止めいただければ幸いです
               真砂 威

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